🌿繊細さは弱さじゃない。その気質だからこそ創れるやさしい世界がある。

最近、自分の気質について、
ふと立ち止まって考える時間がありました。

人の感情に影響されやすかったり、
周りの空気が少し強いだけで
気持ちがざわついてしまうことがあります。
そんな自分を、「これは弱さなのかな…」と
思ってしまう時期もありました。

でも、静かな場所にいるときは、
呼吸がすっと軽くなる瞬間がありました。
余計なことを考えずに、
安心して目の前のことに向き合える感覚があって、
その心地よさが、あとになって
ひとつのヒントのように思えたことがあります。

気質や環境についてゆっくり向き合ううちに、
“無理なくいられる場所には、
それなりの理由があるのかもしれない”
そんなふうに感じることが増えてきました。

この記事では、僕自身が「生きやすさ」を探してきた過程の中で感じたこと、心に残ったことをまとめています。

どこか一行だけでも、
あなたの今日が少しやわらかくなるきっかけになれば嬉しいです。

🌿繊細さは弱さじゃない。僕の中にずっとあった“生き方の軸”

社会人になってから、
自分の気質について考えるきっかけになる出来事がいくつかありました。

仕事で少し強めの口調で注意を受けたとき、
内容そのものよりも、その場の空気が胸に残ってしまったり。
人混みのざわついた雰囲気にいるだけで、
理由はわからないのに心が落ち着かなくなることもありました。
ニュースの強い言葉を耳にしただけで、
気持ちが重くなる日もあって、
「どうしてこういう場面で心がざわつくんだろう…」
と感じることが何度も続きました。

振り返れば、
この“感じ取りやすさ”は学生の頃からずっとありました。

たとえば、クラスの雰囲気が少し荒れていると
理由はわからなくても落ち着かなくなったり、
友達同士のちょっとした空気の変化にも
敏感に反応してしまったり。

そのころは特に意識していなかったけれど、
今思うと、
人の気持ちやその場の雰囲気に影響を受けやすい性質が
ずっと自分の中にあったんだと思います。

そして最近になって、
その繊細さには悪い面だけじゃなく、
大切な面もあることに気づきました。

小さな変化に気づけたり、
人の優しさをすぐに感じ取れたり、
丁寧に物ごとへ向き合えるところもある。

繊細さは弱さではなく、
僕が世界と向き合うときの“見え方”そのものなんだと、
すこしずつ受け入れられるようになってきました。

🍂刺激が強い世界でしんどさを感じてきた理由

昔、ミュージカル俳優を目指していた時期があります。
歌うことや表現することが好きで、
「いつか舞台に立てたらいいな」と思いながら、
レッスンにも通っていました。

ただその世界は、僕にとって思っていた以上に刺激が強い場所でした。

大きな声を出したり、
感情を全身で表現したりする場面は、
やりがいもあった反面、
周りの熱量に飲まれてしまう感覚がありました。

レッスン後は、
身体よりも“心”の方がぐったりしてしまう日が続き、
チケットの営業活動のようなコミュニケーションも、
どうしても自然にできませんでした。

「好きなことなのに、どうしてしんどいんだろう…」
そんな思いを抱えながらも、
自分が無理をしていることに少しずつ気づきはじめました。

その後、飲食店や販売、工場など
いくつかの仕事を経験しましたが、
どの現場でも、忙しい場面のピリッとした空気や、
お客さんの感情の揺れに影響されてしまい、
気づかないうちに心が疲れていました。

今思えば、
どの仕事も“自分に合わなかった”というだけで、
誰かが悪かったわけでも、
自分が弱かったわけでもありません。

ただ、
気質と環境の相性が合っていなかった。
それだけのことでした。

このことに気づいたとき、
「無理して合わない世界にいなくていい」と
自分に静かに言えるようになりました。

📚静かな場所でだけ呼吸が整っていた理由

学生の頃から、静かな場所にいるときだけ
気持ちがすっと落ち着く感覚がありました。

高校生のとき、僕は部活には入らず、
塾の自習室や図書館によく通っていました。
仕切られた席で、周りの会話もほとんど聞こえない。
そういう環境だと、不思議と集中が続いて、
心の中のざわつきも小さくなっていきました。

誰かと話す必要もなく、
人の感情の揺れに引っ張られることもない。
ただ静かに手を動かしていられる場所。
そのシンプルさが、自分には合っていたんだと思います。

大人になってからも、
同じような環境を自然と選んでいました。

コワーキングスペースの
ひとり用の席や、少し仕切られた落ち着いた空間。
過度な会話や強い刺激がなく、
自分のペースで作業に向き合える場所。

学生の頃に好きだった“静けさ”が、
今の作業スタイルにそのまま繋がっていることに気づいたとき、
なんとなく、自分が安心できる理由がわかりました。

静かな空間だと、
ようやく周りに振り回されずにいられる。
そんな環境にいるときの感覚は、
僕が生きやすさを探す中で、ずっと大事なヒントでした。

🎨本当は好きだったWebデザインを一度諦めた本音

社会人になってから、
Webデザインに興味を持った時期がありました。
画面のレイアウトを考えたり、
色や写真を選んだりする作業が好きで、
いつか自分でサイトを作れたらいいなと思っていました。

スクールにも通ってみたけれど、
すぐに前に進めなくなってしまいました。

理由はいくつかあります。

ひとつは、
“デザインに正解がない” というところ。
綺麗だと思って作ったものを
「もっとこうしたほうがいい」と言われたとき、
自分の好きが否定されたような気持ちになって、
思っていた以上に心が揺れてしまいました。

もうひとつは、
当時はPCに自信がなかったこと。
ショートカットや操作の基本すら
慣れるのに時間がかかってしまい、
シンプルに“向いていないんじゃないか”と思い込んでいました。

好きなのに前に進めない。
やってみたいのに、踏み出すのが怖い。
そんな状態が続いて、
「やっぱり自分には無理かもしれない」と
そっと距離を置くようになりました。

でも、興味そのものが消えたわけではなく、
心のどこかにずっと残っていました。

いま思えば、
諦めたというよりも
“まだそのときじゃなかった”だけなのかもしれません。

💻SESの仕事で心が落ち着いた理由

いろいろな仕事を経験したあと、
SESの現場で働くようになったとき、
少しずつですが、心が落ち着いていく感覚がありました。

IT業界の知識も少なく、
最初は不安の方が大きかったけれど、
実際の業務は、思っていたよりも
落ち着いた環境で進められるものが多かったです。

黙々と作業したり、
調べながらじっくり確認したり、
一つひとつ丁寧に進められる仕事が多く、
自分のペースを守りやすいと感じました。

そして何より大きかったのは、
マネージャーさんの存在です。

わからないところがあっても、
一度も責めることなく話を聞いてくれたり、
「大丈夫ですよ」と背中を押してくれたり。
その言葉に何度も救われました。

急かされることもなく、
気持ちを乱されるような空気もなく、
安心して質問できる環境があったからこそ、
少しずつ仕事にも馴染めるようになっていきました。

資格に挑戦できたのも、
「まずやってみましょう」と言ってくれた
マネージャーさんの声があったからだと思います。

その積み重ねが、
“PCが苦手”という思い込みを
少しずつほどいてくれました。

SESで働くようになって、
「自分の気質でも続けられる仕事はあるんだ」と
静かに実感できたことは、
僕にとって大きな転機になりました。

✨再びWeb制作に向き合えるようになった今

Webデザインから離れていた時期があったけれど、
SESでの仕事を続ける中で、
少しずつ“今の自分なら向き合えるかもしれない”という
落ち着いた気持ちが生まれてきました。

そのきっかけのひとつが、
PCに対する苦手意識が少しずつ薄れていったことです。

最初は本当に基本的な操作からつまずいて、
「やっぱり自分は向いてないのかも」と思う日もありました。
でも、丁寧に教えてくれる環境のおかげで、
少しずつ“できること”が増えていきました。

Excelの扱い方を覚えたり、
アプリのインストールや設定を任せてもらったり、
トラブルの原因を調べて報告書を書くことができたり。

派手な成果ではないけれど、
ひとつひとつの作業を丁寧に積み重ねていくうちに、
「この部分は自分でもできるんだ」という感覚が
ゆっくり育っていきました。

そして、資格の勉強を始めて合格できたことも、
大きな転機のひとつでした。

テキストを何度も読み返して、
問題集を少しずつ解いて、
理解できる範囲が広がっていくのが嬉しくて。
最終的に合格通知を見たとき、
“苦手なものでも、時間をかければ前に進める”
という実感がしっかり残りました。

そんな積み重ねの中で、
「もう一度だけWebに触れてみたい」
そんな気持ちが自然と戻ってきたんです。

久しぶりに、
コワーキングスペースでUdemyやYouTubeを開いて、
一人で静かにデザインの作業をしてみました。

周りに気を取られず、
自分のペースで学べて、
手を動かしている時間が心地よかった。

色を選んだり、
レイアウトを整えたりしながら、
ふと“やっぱりこの世界が好きだ”と思いました。

昔は自信がなくて諦めてしまったけれど、
今は、
“自分の世界を形にする楽しさ” を
素直に感じながら向き合えています。

焦らなくていい。
誰かと比べなくていい。
自分のペースで、また一歩進んでいけばいい。

そんなふうに、静かに再スタートしています。

🌱やさしい世界を創るという“僕の軸”

いろんな環境を経験して、
強い刺激のある場所ではうまく力が出せなかったことも、
静かな空間だと自然と落ち着けることも、
少しずつ分かってきました。

そのなかで気づいたのは、
自分が“安心できる世界”には、
いつもやさしさや静けさがあるということでした。

緑の中を歩く時間。
朝の光が差し込む部屋の静けさ。
コワーキングスペースで
一人で静かに集中しているときの落ち着き。

そういう穏やかな空気の中にいると、
無理をしなくても自分らしくいられる。
その感覚が、僕の中ではとても大切なものでした。

Web制作に向き合うときも、
デザインで表現したいのは、
やさしくて静かな“居場所のような空気” です。

誰かが気持ちを整えたいときに、
そっと寄り添えるような世界。
ふっと息がしやすくなるような空間。

そんな世界観を、自分の手で少しずつ形にしていきたい。
これまでの経験や、繊細さで悩んだ日々が、
すべてこの「軸」に繋がっていたように感じています。

大きなことはできなくても、
小さくてもあたたかい光をそっと灯すように、
誰かの心が少しでも軽くなるものを作れたらいいなと思っています。

💐同じように悩む人へ、小さなメッセージ

気質のことで悩むとき、
理由がはっきりしないまま、
なんとなく心が落ち着かない日が続くことがあります。

僕も、日によっては環境に振り回されてしまって、
「これは自分の性格のせいなのかな…」と考えてしまうことがありました。
今でもそう思う瞬間はあります。

でも、いろんな環境を経験する中で
ひとつだけ気づいたことがあります。

“そう思ってしまう自分も、別におかしくない”
ということです。

強い刺激のある場所で疲れてしまうことも、
静かな空間だと少し呼吸がしやすくなることも、
どちらも自然な反応なんだと思います。

気質が悪いわけでも、
何かを克服しないといけないわけでもなくて、
ただ「こういう感じ方をする自分なんだな」
とゆっくり理解していくだけで
少し気持ちが軽くなる瞬間があります。

環境を変えたからすべてが解決するわけではないけれど、
自分が安心できる空気に触れると、
気持ちが整いやすくなるというのは、
僕自身が今も感じていることです。

もし今、
思うように動けなかったり、
気持ちがついてこない日があっても、
それは“間違い”ではないと思います。

人にはそれぞれのリズムや安心できる場所があって、
そこに気づくまで時間がかかることもあるだけで、
焦らなくても大丈夫です。

この文章が、
ほんの少しでも
「そう思ってしまう自分も自然なんだ」と
感じるきっかけになれば嬉しいです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

🌿 杜 Tech Life